流体速度計測に用いられる計測手法として、ピトー管や熱線流速計などの流体に“接触”して計測を行う手法が広く使われています。これらの計測法では、ある点での速度を、安価で精度良く計測することができます。しかし、計測対象に接触している為に、計測器その物が流れ場に影響を与える可能性があるうえ、空間内の速度分布を計測することは一般的に不可能です。そこで、本研究では、粒子画像流速計(PIV)という非接触で流れ場全体を計測対象にできる計測手法を用います。PIVでは、まず計測対象である流れ場に髪の毛の断面程度の直径をもつ極小の粒子(トレーサ粒子)を添加します。そしてそのトレーサ粒子が添加された流れ場のある空間(計測領域)に非常にエネルギー密度の高い光(レーザー光)を照射し、そのトレーサ粒子からの散乱光を非常に短い時間間隔で撮影します。得られた1セット2枚の粒子画像から、画像処理を用いて粒子の移動量を算出し、計測領域全体の速度を算出します。