乱流では、大小さまざまな渦が流体の運動と混合を支配します。燃焼を伴う場合には、さらに化学反応や熱膨張が加わり、流れと火炎が互いに影響し合います。本研究室では、粒子画像流速測定法(PIV)と平面レーザー誘起蛍光法(PLIF)を用い、速度場と化学種分布の両面からこれらの現象を調べています。
直接数値計算(DNS)は流れや反応の詳細な情報を与えますが、計算できる領域や条件には計算コストによる制約があります。一方、実験は実際の装置を対象に計測できるものの、光学アクセスや測定できる物理量に制限があります。
レーザー計測で得られた空間分布や統計量を数値計算と比較し、双方の情報を組み合わせることで、乱流の混合機構や火炎の安定化を調べます。非燃焼の流れを対象とした壁面乱流の計測とも関連する研究です。


写真は、測定対象の周囲にカメラと光学系を配置したレーザー計測装置です。光学定盤上のミラーやレンズで光を導き、照射する領域と撮影する領域を合わせます。装置の配置、光学アクセス、照明と撮影のタイミングは、取得できる画像の品質を左右します。
PIVでは、流れに追従するトレーサ粒子をレーザーで照らし、短い時間間隔で撮影した粒子像の移動から速度分布を求めます。ステレオPIVは異なる方向からの画像を組み合わせ、計測面内の三成分速度を取得する方法です。
速度場を統計的に解析することで、平均流、速度変動、乱流による運動量輸送を調べられます。燃焼場では、火炎を保持する再循環流や、火炎の変形に関わるせん断流の構造を把握する手掛かりになります。

PLIFでは、対象とする化学種を励起する波長のレーザーをシート状に照射し、発生する蛍光をカメラで撮影します。燃焼場の断面における化学種の分布を捉え、速度計測だけでは分からない火炎の位置や形状を調べます。
OHは反応領域や高温の既燃領域を調べる指標として用いられます。画像中の分布を燃焼器の形状と対応させることで、火炎がどこに形成され、どのように広がるかを検討できます。蛍光強度は化学種濃度だけでなく、温度やレーザー強度、衝突による失活にも依存するため、画像の明るさをそのまま濃度や反応速度とみなすことはできません。